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バイトの面接に行きました! 2021/03/04

私は日記を書いていると言うこともあり、ちょくちょく散歩をします。

ちなみにその散歩はネタ出しと変な張り紙や看板を探すという趣味を兼ねているので私のカメラフォルダにはこんな写真ばかりがたまっていきます。

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何? 何が?

今日も散歩に出たのですが、その道中でバイト募集の張り紙を見つけました。以前からそのお店の前を通ることはあったのですが何のお店かすら知りませんでした。張り紙をよく読んでみると時給950円でまかないは毎日配給食Aとあります。労働は嫌いなので働きたくはありませんが、何をしている店なのかは気になるので店員さんに聞いてみることにしました。

「すいません、表のバイト募集の張り紙についてなんですけど」

「おぉ、助かるよ。ここはいつも人手不足でね」

真っ白なスーツに身を包み髪をかっちりと固めマイクを持った男が出迎えてくれた。なんだか見覚えのある顔立ちだった。

「面接の必要はない、合格だ。まあ、それぐらい人手が足りないってことだ」

バイトの面接に来たと勘違いされてしまっている。働きたくはないけれど、同時に日記のネタになるなという人生を悪い方向に持って行く気持ちが首をもたげてきたのもあり、もう少し話を聞いてみることにしました。

「どんな作業をするんですか?」

「ここは小さな工場でね、右からやってくる物に不良品がないかチェックして左に受け流す作業をやってもらうよ」

右とか左とか、そんなもの立ち位置によって違うのに変わった言い回しをする人だなと思ったところで、彼を見たときに抱いた既視感の正体に気がついた。彼はムーディ勝山だ。まさかこんなところで工場長をしているとは。やはり右からやってくる何かを左に受け流す技術を買われたのだろうか。

「......それで気になってたんですけど、まかないの配給食Aって……」

「ああ、それか。機械が作ってるとはいえ、ラベルが逆になったりとか印字がかけたりとかそういう不良品はどうしたって出てしまうからね。それを食べてるだけで勝手に配給食を食べているわけじゃないから罰せられることはない、安心していいよ」

そうなんですねと相づちを打ったが余計にわからなくなった。

「ちなみにここで作った製品は誰が食べるんですか?」

「ん? ああ、巣鴨に住む人たちだよ」

こうして私は巣鴨で暮らす人たちへ配られる配給食Aを作る仕事に携わることになった。