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葬式に行きました!

今日は映画でも見に行こうかと思って今上映している映画を調べていると『デスタラバガニ vs ゴーストロブスター』という映画が目にとまりました。今まで見たことないジャンルの映画なので見識を広げるという意味でこの映画を見ることにしました。上映している映画館を調べるとバスで40分ぐらいのところで上映していることがわかりました。

バス停に着くと、もうすでにバスが停車していたので慌てて乗り込みました。しかし、そのバスは直通便で私が降りたいバス停には止まらないルートを走るものだったのです。運転手の耳に息を吹きかけ、ひるんだ隙に扉の開閉ボタンを操作してバスから降りることも考えましたが、そんなことで前科を負うのも馬鹿馬鹿しいので次のバス停までおとなしくバスに揺られることにしました。

降車ボタンを押してバスから降りるときっちりした格好の人たちに出迎えられました。あれよあれよと彼らに連れられ気づけばパイプ椅子に座っていました。部屋の前のほうにはたくさんの花と誰かの大きな顔写真があります。どうやらここは葬式会場のようです。知らない人の葬式に出てもお互い困るなと思い、部屋から出ようとしたその時、お坊さんがお経を読み始めて立ち上がれない空気になってしまいました。しょうがないので「今の記憶を保ったまま小学生だった頃の自分に戻ったらどうするか」でも考えて時間を潰そうと思ったのですがどうにも集中できません、お経を読む声が不自然に高いのです。お坊さんは男性なのですが、お経を読み上げるのは加工した後のようなケロケロとした声です。使っているのは恋声かなそれともバ美声かな、なんて考えているとだんだん声が低くなっていきます。「ボイチェン切れてますよ」と言おうとしたその時、お坊さんは懐から大きな缶を取り出して中のガスを吸いました。そう、彼はヘリウムガスを吸っていたのです。(そっか、ボイチェンじゃないんだ)私の興味は急激に薄れていきました。

気が散ってふと顔をそらすと部屋の隅にモニターがあります、どうやら子どもが退屈して暴れないように字幕で映画を流しているようです。ぼんやりと眺めていると流れているのが私の見たかった映画『デスタラバガニ vs ゴーストロブスター』であることに気づきました。エンドロールまで見終わった後にトイレの振りをして帰りました。まあ、最終的に当初の目的は果たせたのでよしとします。